5月公演 2部 傾城反魂香 艶容女舞衣 壇浦兜軍記
住大夫さんが倒れられてしまった、後に書き記すもので、そんな感想になってしまう。
文楽の芸は難しい、文楽との自然な導き、出会いがなければ、
興味を得るのも難しい。
そしてそれを一見をして理解できるかとなるとやはり難しいと言わざるを得ない。
逆に見るものの芸術的センスを問われるものとも言えるような気がする。
市長もこういう立場以前に文楽というものに出会っていただけていれば、
もう少し理解していただけたのでは、、と思う。
しかし、芸以外のところで心労が原因というのはなんともいたたまれない。
・・・
復帰していただけると思うので最後の公演にはならないと思うが、
今年最後の出演になってしまったよう、住大夫さんが出ている舞台はすべて特別会計と思っている
そして阿古屋も懸かるとなれば、、として日帰りで出かける。
住大夫さんの感想になるが、全盛期からみればさすがに衰えはあるのだろうが、
声量も技でカバーしつつ最高の舞台、文字の情を伝える大夫の仕事からすれば、
最高点であった。まさに至高の芸であるといえる。
いわゆる「吃又」。どもりの中に、必死さ無念さ人間の良さを詰め込まなくてはいけないというが、
聴いてみて、これこそ芸で、このすばらしさは驚きだ。
源大夫さんは弱々しい声の中、耳を澄ませて聞こえる響きの中には確かな情を感じ取れた。
阿古屋は寛治さんとお孫さんの競演で三味線方も華麗で楽しめる内容だった。
人形方も勘十郎さんはじめ充実していて大変良かったと思う
どうも今後の文楽は人形方が引っ張っていく事になるような気がしなくもない。
…
記述時には完全に失念、
文楽2部前には国立博物館でボストン美術館展に行き、近所をうろうろして根津神社などに行く。
(つづく)