mittsuの日記

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銀閣寺、銀箔なかった 科学の目 通説裏付ける

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007010500076&genre=J1&area=K10

 世界文化遺産銀閣寺(慈照寺京都市左京区)には銀箔(ぎんぱく)がまったく使われていないことが、お寺の初めての科学的調査で確認された。金箔が豪華に張られた金閣寺(北区)と違い、漆塗りの建物だったことで通説を裏付けたかたちとなったが、お寺は「銀箔がなくても銀閣の価値は変わらない」としている。

 調査は国宝・銀閣(観音殿)の二層外壁のうち、表面のすり減り具合の顕著な部分を大規模な修理の行われた大正時代以前のものと判断。その部分から試料を採取して行われた。エックス線による元素分析とICP/MS(誘導結合プラズマ質量分析法)と呼ばれるごく微量の元素でも検出できる分析法を用いたが、銀は検出されなかった。

 銀閣寺は室町幕府足利義政(1436−90)が造営した山荘の東山殿を義政の死後、禅寺に改めて現在に至っている。銀閣はこけらぶき二層の楼閣建築で、数度の修理を経て、創建当時の姿をとどめている。

 「銀閣」の通称は江戸時代以降に使われ始めたといわれる。金閣に対する呼び方、あるいは池の反射光が漆塗りの外壁に映ったことからそう呼ばれたというのが通説となっている。幕府の財政難や完成直前に義政が死去したために銀箔が張られなかったともいわれ、一部では実際に銀箔が張られていたという説もある。
 今回の調査結果に、坂根孝慈執事長は「これで銀箔がなかったことが確定した。東山文化は幽玄やわびさびの美意識の枯淡美(こたんび)を基調としている。たとえ銀箔が使われていなくても、銀閣の価値はまったく変わらない」と話している。

個人的には非常に興味深い記事で、金閣寺が金を使ってあるから、銀閣寺は銀を使ってあるというのは違うことで、
義政は義満を慕って鹿苑寺と遂になる慈照寺(東山殿)を作ったというだけで、そもそも金と銀を対という考えは仏教的な思想から来ているわけで、
金が富、力、権力と言う意味合いで、銀とは冷静、理知、仏教での悟りと表すというもともとお互いを対で考える思想があって、
それをを義政が取り入れたのだろうと思う、禅が外見の形から心に入り込んだ時期にも重なり、侘びの思想が入ったとのだろうと思う。
(と、お正月にテレビで言っていた)義政が禅の思想を正しく理解していれば、銀で建物を飾るということはありえないことで、銀を使っていなかったからこそ、価値が下がらなかったのでは、と思う。