訃報、角田氏に対してになる記事
角田文衞氏が死去 歴史学者、古代学協会名誉会長
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008051500205&genre=P1&area=K00
平安京発掘からヨーロッパ古代史まで幅広い研究で大きな足跡を残した歴史学者で、古代学協会名誉会長の角田文衞（つのだ・ぶんえい）氏が１４日午後１１時５９分、急性呼吸不全のため、京都市左京区下鴨中川原町９の自宅で死去した。９５歳。福島県出身。葬儀・告別式は１９日午後零時半から、南区西九条池ノ内町60の公益社南ブライトホールで。喪主は長女玖賀子（くがこ）さん。京都帝国大大学院在籍中に「国分寺の研究」を刊行。イタリア留学などを経て１９４９年、大阪市立大助教授に就任し、５３年から同大学教授を務めた。
考古学と文献史学を統合した「古代学」を提唱し、日本からヨーロッパまで幅広く研究。大阪で民間研究機関として古代学協会を発足させ、６７年、京都市中京区に同協会が運営する平安博物館（現京都文化博物館）を設立、理事長として多くの研究者を育てた。
行政による発掘が始まる前から、大極殿跡など平安京発掘に力を注ぎ、王朝時代の政治や文化、女性の人物史研究に業績をあげた。中でも、源氏物語と紫式部に関する独自な論文を次々発表。８９年に紫式部顕彰会を組織し、千年紀の事業にも積極的に携わった。また、エジプト・アコリス遺跡やイタリア・ポンペイ遺跡など海外の発掘も手がけた。
著書に「古代学序説」「紫式部とその時代」「ヨーロッパ古代史論考」など多数。平安建都１２００年記念事業として、「平安京提要」「平安時代史事典」も監修した。
