京の医療会社41億円落札 庭園残す方針示す 擁翠園問題

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006122600023&genre=C4&area=K10

　江戸初期の貴重な日本庭園「擁翠園（ようすいえん）」のある日本郵政公社京都貯金事務センター跡地（京都市北・上京区）の競売入札が２５日、大阪市内で行われ、医療分析機器メーカー「アークレイ」（本社・中京区）が４１億７４００万円で落札した。庭園について京都市が保存を求めており、同社はこれを残す形で研究施設を建設する方針を示した。

　擁翠園は、約１万平方メートルの跡地の半分以上を占める江戸時代初期の池泉回遊式庭園。著名な金工師・後藤長乗が築いたとされ、市の調査で指定文化財の価値があることが判明した。市は郵政公社に、売却しても保存するよう求め、公社側も売買契約書には「庭園の扱いは市と協議する」との文言を加えた。

　郵政公社近畿支社で行われた入札には、１１社が参加。落札したアークレイ社は「南区にある研究施設を全面移転するための用地として取得した。緑に囲まれたよい環境で、京都の企業として栄誉ある庭園を保持するメリットは計り知れず、庭園は大切に管理する」としている。
　近く同社と市、郵政公社の三者で庭園の利活用を話し合う予定で、市文化財保護課は「ありがたい話。市の指定文化財登録や市民への公開にも協力を求めていきたい」と話している。

積翠園みたいになってくれるとうれしい。