「庭園利用は京都市と協議」貯金センター、擁翠園競売 (キャッシュから）

http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2006120800094&genre=A2&area=K10

　日本郵政公社の京都貯金事務センター跡地（京都市北区・上京区）競売計画で持ち上がった跡地内の貴重な日本庭園「擁翠園（ようすいえん）」の存続問題で、保存を求める京都市に対し、公社側が売買時の契約書に「庭園利用で市と協議する」との文言を盛り込む方針を伝えてきたことが、１１日の市議会文教委員会で明らかになった。

　擁翠園は、約１万平方メートルの跡地の半分以上を占める江戸時代初期の池泉回遊式庭園で、金座として大判鋳造を営んだ後藤家の旧領に築かれた。金工師が住んだ地域を唯一残す遺構で、市の調査では指定文化財の価値があるという。公社が１２月下旬の競売を決定し、市が「売却には庭園を保存するとの条件を付けてほしい」と申し入れていた。

　市文化市民局の水口重忠文化芸術都市推進室長によると、１１日朝、公社に再び電話で申し入れたところ、公社側は「保存条件は付けられないが、落札者との契約書で、庭園利用については市と協議、相談するという文言を入れることは検討したい」と返答した。

　跡地を所管する日本郵政公社近畿ネットワークセンターでは「売却先に庭園の貴重さを説明するとともに契約書に明記することも決めた。庭園保全は新たな所有者と市との協議に任せたい」としている。
　協議の結果、庭園が保存されるのかは未確定だが、文化市民局では「一歩前進で、貴重な文化財の保存に努めたい」としている。

そして、