戦前の四ツ橋文楽座写真、新発見について気になる記事
軍服姿の人形遣い…戦時下の文楽写真600枚
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090816-OYT1T00002.htm
1945年に大阪大空襲で焼失した人形浄瑠璃文楽の殿堂・四ツ橋文楽座(大阪市)の、戦前の舞台の様子を収めた写真約600枚が見つかった。当時の宣伝部員が個人的に保管していた品で、ヘルメット、軍服姿の人形を遣う様子などが写されていた。
奈良県天理市の無職、中村知也さん(70)が、34年から43年まで同劇場に勤め、6年前に亡くなった父・利雄さんの遺品を整理していたところ、箱に入った大量の写真を見つけ、近江昌司・天理大名誉教授(日本史)に調査を依頼した。
キャビネ判で、宣伝用の素材としてプロのカメラマンが撮影したらしい。30年に開場した同劇場では、戦意発揚を目的とした軍国物が度々上演され、写真の中には出征風景や銃を手に整列する兵隊たち、上海事変時に爆弾を詰めた筒を抱えて突撃したとされる3人の兵士を題材にした「三勇士名誉肉弾」(32年初演)など、新作の一場面も目立つ。
このほか、人形遣いの三世吉田文五郎(後の難波掾)、吉田栄三、二世桐竹紋十郎ら、昭和の文楽を代表する名人たちの共演シーンや、写真家の入江泰吉さんが撮影した約30点もあった。
近江名誉教授は「古典芸能にまで戦争が影を落とし、国策が浸透していたことを示す資料。公共施設で整理、保存し、一般公開すべきだ」と話している。
戦前の人形の首や衣装、文献類の多くは空襲で焼けて残っていない。知也さんは「貴重な写真が手元でうずもれるのは惜しい。資料館などに寄贈し、研究に役立ててほしい」と望んでいる。
何もかも焼けてしまって、床本から頭からほとんどなにも資料が無かった中、すごい発見だと思う。