mittsuの日記

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次世代に引き継ぐ、町衆の思い 祇園祭・山鉾巡行

http://kyoto-np.jp/article.php?mid=P2006071700082&genre=I1&area=K10

京都市中心部で17日に繰り広げられた祇園祭山鉾巡行長刀鉾の稚児が注連縄(しめなわ)を切れば、僧侶が裃(かみしも)姿で都大路を進み、親子三代も巡行に参加。変わらぬ伝統とさまざまな神仏を取り入れる祭りの懐の深さが垣間見え、次世代に引き継いでいく町衆の思い入れが感じられた。どしゃ降りに打たれながら、ボランティアも祭りを盛り上げた。

 ■西尾君、大役果たす

 巡行の見せ場となる注連縄(しめなわ)切りで、長刀鉾の稚児・西尾太一朗君(10)=京都市左京区ノートルダム学院小5年=が大役に挑んだ。金冠と鮮やかな朱色の振り袖に身を包み、沿道の注目を一身に浴びた西尾君は、太刀を大きく振り上げてしめ縄を一刀で両断。かたずを飲んで見守っていた見物客からどよめきと拍手がわき起こった。

 西尾君は「切れるかどうか心配だったけど、うまくいってよかった」と笑顔を見せ、母容子さん(33)は「練習では失敗もあったのでドキドキした。八坂神社さんのご加護のおかげです」と話した。

 ■貫主が「お供」

 郭巨山の巡行に法然院京都市左京区)の梶田真章貫主(49)が「お供」として参加し、保存会の役員とともに、裃(かみしも)姿で列の先頭を歩いた。郭巨山は町内の物故者法要を毎年法然院で営んでおり、郭巨山保存会の平岡昌高会長(60)が町内の伝統や文化を肌で感じてもらおうと参加を誘った。

 あいにくの雨に「私が参加したからでしょうか」と梶田貫主。無事に歩き通し、務めを果たして「お祭りが多くの人の力で支えられていることがよく分かった。次は晴れた日の巡行に参加したい」と笑顔を見せた。平岡会長も「これで町内とのご縁がまた深まった。今年だけでなく、来年以降もお願いしたい」と話した。

 ■親子三代で支える

 傘鉾の一つで、勇壮な棒振り踊りで知られる綾傘鉾の巡行には、保存会の河野隆明会長(70)と長男の医師正孝さん(37)、孫の嵐山東小5年大和君(10)が参加し、伝統の祭りを親子三代で支えた。

 くじ改め役を果たした大和君は「緊張したけれど、多くの人が拍手して『頑張ったね』と声をかけてくれてうれしかった」と満足そうに話し、同じ巡行の列から息子の大役を見守った正孝さんも「(大和が)練習した通りに型を決めることができてよかった」とほっとした様子。河野会長は「雨で衣装や楽器が濡れてみんな大変だったと思うが、若い世代の人たちにはいい経験になった」と振り返った。

 ■苦労と感動

 激しい雨は、曳き手ボランティアや見物客にも大きな苦労と感動をもたらした。

 月鉾の曳き手にボランティアで初参加した会社員松井一貴さん(22)=伏見区=は「雨で体温が奪われて寒かったが、大きく重い鉾を動かせ達成感があった」。同じく鶏鉾に加わった会社員中園貴博さん(31)=下京区=は「曳き始めたら雨は気にならなかった。雨でも多くの人が訪れ、見てもらえるのが気持ち良かった」と充実した表情。綾傘鉾囃子方保存会の林啓之典会長(69)は「雨だと太鼓の音が出にくいが、普段通りの演奏で頑張ってくれた」とスタッフの労をねぎらった。

 沿道の観覧者はかっぱや傘で雨をしのぎ、巡行を見守った。徳島県からバスツアーで訪れた川野博江さん(45)は「ビニールかっぱを着たので暑かった。でも精巧な織物などが見られて良かった」と満足した様子。神戸市の主婦(78)はずぶぬれの担ぎ手を「風邪をひかないかしら」と気遣った。

 御池通で取材していたインドの新聞記者ヴィべック・ピントさん(50)は「雨のなかで大勢の人が我慢強く見ていたのが印象的だった。それだけ魅力的な祭なのでしょう」と分析した。

伝統の中に新しい事柄を柔軟に取り入れるからこそ、長く続くのであり、これからの何千年も続くと思われる祭りのために、今年も少しづつ新たな試みがあったようで、
それを目の当たりに見て、参加できたことは大変にうれしいこと。