mittsuの日記

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京都樂家 黒茶碗と赤茶碗  〜十五代吉左衞門のルネサンス〜

3月26日(月)bs-hi午後8:00〜9:50

四百年前、秀吉がその権勢を欲しいままにしていた時代、その最も間近にいた茶人・千利休が自分の求める侘茶の世界を表現した茶碗を「聚楽第」内で陶工・長次郎に作らせた。
「黒樂茶碗」と「赤樂茶碗」の出現である。それは茶陶のルネサンスとも言える革新性をもっていた。この利休と長次郎以来、千家とともに四百年を歩んできたのが京都の樂家である。現在は十五代・樂吉左衞門(五十七歳)が継承者である。一子相伝で技を伝える家としては、最も古い歴史を誇り、今も「黒樂」「赤樂」を京都の街中で焼き続ける。
樂茶碗は、他の焼き物とは異なりロクロを使わず全て手で形を整え、一碗ずつフイゴで炭の火をおこしながら焼き上げる。樂家歴代の継承者は利休の茶の精神を黒と赤の茶碗に体現しつつも各時代の精神までも表現したものを作ってゆくことが課せられている。いわば、樂家はルネサンスを常に求められてきた。25年前、樂家を継いだ十五代吉左衞門も自分自身のルネサンスを表現して行かねばならない。樂氏の創作精神は「姿は鬼なれども、心は人なる風体」と語る。その茶碗の姿は時に前衛的で巌のように荒々しい。その樂氏が、歴代初めての茶室造りに取り組んでいる。茶室も茶碗と同様に姿は鬼と言われようと、心は利休や長次郎の思想を受け継ぐと言うのだ。はたしてどのような茶室が出現するのか。
番組では、樂家四百年という重い伝統の中に身を置きながら、常に新たな造形を生み出し続ける十五代・樂吉左衞門の創作の一年を追い、樂家の現代のルネサンス精神とは何かを探る。