170年ぶり「鉾中茶席」祇園祭・月鉾 一般客ら薄茶を堪能

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祇園祭の月鉾（京都市下京区）で１３日、江戸時代後期に行われていた「鉾中茶席」が約１７０年ぶりに復活した。巡行当日は囃子（はやし）方が乗り込む広さ六畳の「舞台」で茶道裏千家の社中がお点前を披露し、来賓や一般客らが薄茶を味わった。

　月鉾保存会によると、鉾中茶席は、１８世紀の大火で焼失した月鉾の修理完成を記念して１８３６（天保７）年に開かれたと記録があり、幕末まで数年間続いたという。今回の茶席は、昨年までに車輪や櫓（やぐら）など鉾の主要部が百数十年ぶりに新調されたことを祝って特別に開かれ、夕方までに２００人以上に茶を振る舞うという。
　午前９時から鉾につながる町会所２階で裏千家の金澤宗維さんが献茶式を行った後、舞台に羽織はかま姿の保存会役員や着物の女性客らが１０人ずつ着座し、薄茶を堪能した。駒形提灯が揺れる地上約４メートルでの茶席に、参加した女性は「風が心地よくて眺めもよく、ほかでは味わえない一服でした」と満足げだった。