mittsuの日記

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文楽地方公演 北野文芸座 10/19

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20080926chirashi
20080926chirashi posted by (C)お寺しゃしん

昼の部

一谷嫩軍記 熊谷桜の段
      熊谷陣屋の段
紅葉狩


非常に狭い会場で、床も回転なし、狭いことも合って昼の部は三味線さんからの距離2mほど、
今回は大夫さんや三味線の細かい息遣い、ニュアンスなどだ大変良く分かった。


熊谷桜の段は、
一枝折らば一指を折る、説明のようなもの、
そしてやっぱり声が響かない印象、反響なしの音そのもの、三味線の音はよく聞こえる。
熊谷陣屋の段では、
9月公演でもすごいと思っていた清治さんの三味線を今回は間近で聞いて見ると、音の響きの違い、
解釈の深さによる演奏の違い、それらが相まってのスケールの大きさが大変良く分かった、
切っ先鋭い撥と、ウンと掛ける掛け声を掛けると呂勢大夫さんの声がぐっと上がる、
三味線で大夫に気合を入れるもようが良く分かる、、
床本を読んだだけでは、やはり良く分からない、人形浄瑠璃むけに作っているわけで、
劇性に優れた陣屋をしっかり見れて良かった。


紅葉狩りは文芸座地元の戸隠、、、とはいうものの本当は鬼無里だと思う。
これはどうしても見た目が勝負の景事なので、人形では迫力に欠ける、、
しかしそれはそれでまたいいものだと思う。


夜の部
いいところ集めで、有名どころの演目
やはり事前説明が入る、、地方民は良く知らないだろうと思っているのかもしれない、


二人三番叟
景事、本公演でも最初に踊られるのでおなじみだとは思う、
しかし本格的に見たのは初めて、登場人物が途中で疲れて団扇で扇ぎながら休んでしまうような
チャリ場があり、人形に人間としての血が通う、大変面白かった。


御所桜堀川夜討
弁慶の一夜だけ契りを交わしたと言う伝承からの物語、
義経の奥方は平家の人間、頼朝から忠義のあかしに首を差出せとのこと、
腰元の信夫を身代わりに殺してしまう、しかしそれは
18年前に一度だけ契りを交わしたときの我子だった、、、と云う話で、
筋書きは大変面白いと思うものの、
時代物としてはあまりに現実と乖離していて物語りに入り込めない、、
後半には是でもかと畳み掛けてくるものの、前半に入り込めていないので、
少し残念だった、、
勘十郎さんのおわさが別次元のすごさでそこが印象的、普段は男役ばかりなので女役の印象が無かったが、
蓑助さん門下だったわけなので、そのあたりが大変よく表現されていた。


傾城恋飛脚
 新口村の段

封印切はよく出るものの、一番見て見たいと思っていた、新口村の段、
切が嶋大夫さん、圧倒的な声量、最初から最後まで安定した語りですばらしいの一言、
大変印象的だった、




(つづく)