今年度3次国庫補助事業内定について気になる記事
醍醐寺三宝院唐門を解体修理 府教委の国庫補助事業、龍安寺も
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008101100043&genre=M2&area=K00
京都府教委は10日、国宝や重要文化財など国指定文化財の保存修理や防災対策などに対する本年度国庫補助事業の第3次内定分を発表した。京都市右京区の龍安寺本堂の屋根ふき替え・部分修理や伏見区の醍醐寺三宝院唐門の解体修理など新規事業25件で、1・2次分を合わせた本年度総事業費は30億5511万円。龍安寺は枯れ山水の方丈庭園で知られるが、本堂は慶長11(1606)年建築の塔頭を江戸後期に移築した。前回から30年以上経過し、こけらぶきが耐用年数に達した。縁回りの木部や建具・しっくい壁などの補修も行う。
三宝院唐門は桃山時代の建築と考えられ、きりと菊の雄大な意匠が特徴。7月に落雷を受け、柱や梁(はり)に割れや欠損が生じたため軒より上を解体修理する。
その他の新規の国庫補助事業は次の通り。
【建造物保存修理】小川家住宅主屋(中京区)の解体修理▽万福寺松隠堂庫裏ほか2棟(宇治市)の解体修理▽瑞峯院本堂ほか2棟(北区)の屋根ふき替え▽仁和寺遼廓亭(右京区)の屋根ふき替え▽智恩寺多宝塔(宮津市)の屋根ふき替え▽引接寺塔婆(上京区)の解体修理
【建造物防災】消火栓や自動火災報知設備の改修・新設 浄瑠璃寺本堂ほか1棟(木津川市)▽久世神社本殿(城陽市)▽常寂光寺塔婆(右京区)▽聚光院本堂ほか1棟(北区)▽賀茂御祖神社本殿ほか31棟(左京区)
【建造物環境保全】危険木の伐採や排水施設の設置 出雲大神宮本殿(亀岡市)▽相楽神社本殿(木津川市)▽龍吟庵方丈ほか2棟(東山区)
【美術工芸品保存修理】大覚寺(右京区)障壁画3面▽西本願寺(下京区)紙本著色善信上人絵(琳阿本)2巻▽東福寺(東山区)絹本著色五百羅漢図45幅▽相国寺(上京区)普広院旧基封境図1幅▽三千院(左京区)木造不動明王立像
【保存活用整備】法金剛院(右京区)の木造阿弥陀(あみだ)如来坐像などを収める収蔵庫の改修事業
【記念物保存整備】史跡仁和寺御所跡(右京区)の本坊西側土塀の解体修理▽對龍山荘庭園(左京区)の書院や広間などの屋根ふき替え
■屋根修復工事で龍安寺が拝観停止、来年1月から
龍安寺は、石庭に面する方丈(重要文化財)の屋根修復工事のため、来年1月5日から2月5日まで拝観を停止する。
来年1月から1年間かけて屋根のこけらをふき替える。拝観停止期間中に1カ月かけて屋根全体を覆う工事用の素屋根を設置する。
寺の本堂にあたる方丈は、塔頭・西源院内に1606年に建立され、1797年に現在地に移築した。東西の桁(けた)行き21メートルと一般的な寺院の方丈より広く、桃山時代の雄大な禅宗方丈の様式を伝える。屋根のふき替え工事に伴う拝観停止は1977年以来、31年ぶりとなる。