mittsuの日記

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『ヴォツェック』全曲 C.クライバー&バイエルン国立歌劇場、アダム、ウール、他(1970 ステレオ)(2CD)

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3893638

クライバー・ファン待望のライヴ音源のCD化。ゴールデン・メロドラムは当たったときの音質は良いだけに、今回はステレオ録音ということもあって期待の持てるアルバムです。
 『ヴォツェック』といえば、父クライバーが初演してベルクを感動させ、カルロス自身も全曲上演のほか、演奏会での「断章」も何度も指揮して成功を収めていただけに、今回のリリースは大いに歓迎されるところです。
 新ウィーン楽派の一員だったアルバン・ベルク[1885-1935]は、シェーンベルクヴェーベルンらと共に活躍しましたが、ヴェーベルンが未来を志向したと言われるのに対し、ベルクは過去と密接に繋がって、無調や十二音の作品でさえときに後期ロマン派的で濃密な気配を感じさせる音楽に仕上げていたのが対照的で、現在の人気にも繋がっているものと思われます。
 代表作『ヴォツェック』も、バロックなど過去の音楽のさまざまな様式を精緻をきわめた書法の中に効果的に取り入れた技法的側面と、淫靡・頽廃の果てに訪れる悲劇を描いた不条理な人間ドラマが密接に絡みあって聴き手に圧倒的な感銘を与える傑作です。

初?