文楽大阪四月公演、千秋楽
2014年4月 文楽大阪公演 posted by (C)お寺しゃしん
ただのあぜくら会、会員の自分が千秋楽のチケットを取れるなんてどうかしてる。
地元民は一体何をしているのか?
結果、引退公演ということがあっての過去最高記録とは、これもどうかしている。
こんな若輩のにわかが、いいんだろうかとも思ったが、これもなにかの運命、導きと思い
伺わせていただくことにした。
引退公演での桜丸切腹というとやはり越路大夫が思い浮かばれる。
しかしそれは偶然で演目は多分最初から決まっていたのではないだろうか、
そして5月は父、六代目竹本住大夫引退の沓掛村これも図ってだろうか偶然だろうか、
地元を朝の5時に出て11時前に大阪着、4時の二部公演まで時間があるので、
曾根崎の橋づくしを歩いてみることにする。
西から東へ行くが、最初に逆櫓の松を見てみる。
何代目かの松、今人間が昇れば折れてしまうだろう。
一つ一つのスポットに感想はないが、
歩いてみると確かに大長寺あたりで、力尽きてしまう。
天神橋を渡るあたりで、本当の覚悟ができ、
大長寺あたりで、いよいよ、というのは、
実際に歩いてみてよくわかる。
画像は地図上の空色のピン、ラインで
(地図には2ページ目もあり)
より大きな地図で 大阪 文楽めぐり 2008/4/27 + 2009/4/25+2010+2011東京も を表示
参考
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc13/map/
あまりぎりぎりまで活動すると、本番で寝落ちしてしまうので、3時には切り上げ
劇場に、
列待ち時、
NHKのカメラが入っていてばっちりとられてしまった。
関西熱視線の全国版があるらしい、、映らなければいいが、、
そして場内では
やはり着物姿が目立つ、今回は前列が大変とりにくいということだったが、
中央三列目は有難かった。
前半の中堅どころが、大変素晴らしい。特に今までは、こしらえの語りで、
腹に入っていなかったように感じていた大夫さんも、ぐっと腹に入った自分の語りで、
語りわけも素晴らしい、ここから深まってくれば、大変素晴らしい語りになると思われる。
みな大きな危機感を持ってられるのだろう、、またそうでなくてはこれからの文楽の未来はない。
…そして
桜丸切腹で住大夫さんになる。自分も浅い若輩だが大きく感じる所があるのだから、
こう拍手が止まらないのは大変良くわかる。
そんななか、始まるが、もう第一声で、今までとガラッと空気が変わる、
ただただ声の響きの中に得も言われぬ慈愛がある。
高音が苦しいようであったが、やはり白大夫の語りは何とも言えない心の機微が感じ取られ
もったいないまだまだ、と思うところや、満身創痍の中、最後までありがとう、との気持ちが入り混じる。
最後に床本を戴く姿、盆が回り行く姿、
文楽とは何か、住大夫さんのその姿こそ文楽の体現だ、と大きく感じた。
自分みたいな鈍感な人間にも、一瞬で文楽の魅力を伝えてくれた、そして素晴らしい世界を見せてくれた。
住大夫さんに感謝したい。
そしてその大変な舞台の後すぐに、舞台に出てこられて痛みいるご挨拶を頂いた。
地元大阪のお客様にということでもうなんとも場違いであったように感じ、本当に来て良かったのかとも思ったが、
この場面に立ち会えた責任としても、住大夫さんの言葉通り、
これからの文楽をしっかり見届け自分なりに応援してくことで、
ちょっと言葉が違うかもしれないがこの責任を果たしていきたいと思う。
…
そして休演が続いていた嶋大夫師の寺子屋、やはり通しで見ていくと、思い入れも大きく違う、
勘十郎さんの松王丸の心が入った動きが印象深い。
そして
気が早いが、玉女さんは来年2代目吉田玉男を襲名されるとのこと、
勘十郎、玉男コンビの復活、先代の往事に追いつく活躍を期待したい。
遅めの食事をして、就寝し、次の朝6時に大阪を立ち帰路へ