20年ぶり「中村勘三郎」 南座で顔見世まねき上げ
京の師走の風物詩「顔見世興行」(30日−12月26日)を前に、恒例の「まねき上げ」が25日朝、京都市東山区の南座前で行われた。襲名を披露する「中村勘三郎」はじめ東西の歌舞伎俳優の名前を書いたヒノキ看板が高々と掲げられ、年の瀬ムードを盛り上げた。
顔見世のまねきは、江戸時代から続く習わし。古式を伝えるまねきが残るのは、全国でも南座だけだ。
熱心な歌舞伎ファンが見守る中、出し物の名場面を描いた絵看板や松飾りで装った劇場正面に、47枚のまねきが次々に上がり、華やいだ雰囲気に。特に、勘三郎のまねきが上がるのは、先代が出演した1986年以来20年ぶりで、注目を集めた。
午前9時、最後に「中村扇雀」と「片岡仁左衛門」のまねきが掲げられた後、吉浦高志南座支配人と市民らが清めの塩をまき、興行の成功を願った。